제목   |  [08/22] 一犬二役? かかわる人の心を支える介助犬 ジュリエット 작성일   |  2024-08-16 조회수   |  29640

一犬二役? かかわる人の心を支える介助犬 ジュリエット

2024年7月30日 18時22分

 

ラブラドール・レトリーバーのジュリエット。

 

手や足に障害のある人を支える「介助犬」です。

 

大阪・泉佐野市にある病院の“アイドル的存在”で、介助犬としての枠にとどまらず、一人二役ならぬ“一犬二役”の活躍をしています。

 

かかわる人たちの“心を支える”ジュリエットの活動に密着しました。

 

(大阪放送局 ディレクター 前田彩音)

 

よき“相棒”

大阪・泉佐野市に暮らす中村薫さん(68)。

 

13年前に脊髄で炎症が起きる難病「HTLV-1関連脊髄症」を発症。

 

歩くことができなくなり、ふだんは車いすで過ごしています。

 

そのそばにいつもいるのが、雌のラブラドール・レトリーバー、ジュリエット。

 

手や足に障害のある人の日常生活をサポートするために特別な訓練を受けた「介助犬」です。

介助犬は、体に障害がある人の生活を支える「補助犬」の一種です。

 

補助犬にはほかに、目が不自由な人を助ける「盲導犬」、耳が不自由な人を助ける「聴導犬」がいます。

 

日本では2024年4月時点で796頭の盲導犬が活躍していますが、介助犬は59頭で、まだ数は多くありません。

ジュリエットは、中村さんの指示にしたがって部屋のドアを開けたり、「ジュリ!テイク携帯」と声をかけると、スマートフォンを探し出して、持ってきたりします。

中村薫さん

「なかなか車いすで下に落ちた物を取るのは大変なんですよ。それをやってくれるので助かっていますね。いつも自分を見てくれているから、よき相棒ですね」

実は中村さんは整形外科が専門の医師で、いまも市内の病院で働いています。

 

診察中もジュリエットが一緒です。

 

「ジュリエットは人の気持ちを理解しているのではないか?」

 

中村さんはそう感じるときがあるといいます。

 

実際、取材中にも中村さんが患者に深刻な話をする場面では…

 

ジュリエットはそっと患者の足元に移動し、寄り添うように座りました。

 

「ジュリ!きょうもかわいいな!」と声をかける人たちが大勢いて、病院のアイドルのような存在になっています。

病気で失った自信 心を前向きに

中村さんは医師だった両親の跡を継ぎ、医師になりました。

 

外科手術を得意とし、30年以上にわたり数多くの患者を治療してきました。

 

しかし、病気を発症してからは体に痛みが出るように。

 

手術も行えなくなり、一時は医師を続ける自信を失ったといいます。

中村薫さん

「俺にとってメスを捨てるというのはもう医者じゃない、外科医じゃないんです。自分の思っている医者を辞めなあかんなと思った」

中村さんが前を向くきっかけになったのが、ジュリエットとの出会いでした。

 

先輩医師の紹介で介助犬を育成する「日本補助犬協会」に連絡を取り、半年近くの訓練や実技試験を経て、2023年3月から一緒に暮らすようになりました。

 

ジュリエットと過ごすうちに、「手術ができなくても、診察やリハビリ治療に力を入れればいい」と考えが変わっていったといいます。

中村薫さん

「いつも僕を見てくれてて『私ついてるよ』って言ってくれてるんかな。それが前を見る気持ちになっているのかもしれない。人生何年あるかわからんが、頑張って少しでも役に立っていこうかなと思った」

妻の奈緒さんによると、家での様子も変わったといいます。

 

以前は体が痛いと寝室から出てこないことが多かったそうですが、ジュリエットと暮らし始めてからは、自然と体を動かすようになり、笑顔も増えたというのです。

奈緒さん

「前向きな気持ちはとても強くなったと思います。生きる意欲が本当に消えかかっていたんですけれど、ジュリエットがきたことによって、ジュリエットのためにということで、体を動かすことをいとわなくなった」

患者の心も支える存在に

ジュリエットと過ごすうちに前向きになっていく心。

 

中村さんは、患者たちにもジュリエットがいい影響を与えてくれるのではないかと思うようになり、患者の不安やストレスを和らげる「ファシリティドッグ」として活動できないかと考えるようになりました。

そこで、患者と一緒に歩いたり、寝たきりの人でも犬の方から近づいて触れてもらうことができるように、ベッドに頭をのせたりする訓練をおよそ半年間行いました。

 

そして、ことし4月からジュリエットとともに「動物介在療法」を始めました。

 

訓練士がジュリエットの体調を見ながら、1日15分から30分ほど患者のリハビリに付き添っています。

今年6月からリハビリを受けている山内ひろみさん(58)。

 

7年前に起こした脳出血の後遺症で、右半身にまひがあります。

 

これまではリハビリのモチベーションを維持するのが難しかったという山内さん。

 

ジュリエットが隣を一緒に歩いてくれることで、なぜだか前向きに取り組めるようになったといいます。

山内ひろみさん

「人としゃべるより、犬のほうが気楽だからね。しんどいときも疲れが吹っ飛んで、頑張ろうという気になる。涼しくなったらジュリエットと散歩に行きたいなと思って、そのときまでにもっと歩くの頑張って鍛えとかなあかん」

中村さんの今の目標は、ジュリエットのように患者に寄り添うことができるファシリティドッグを広めることです。

 

現在、クラウドファンディングで資金を集めながら、候補犬の訓練を始めています。

 

今年度は1頭、来年度も1頭育成する計画で、将来的には全国各地の病院に派遣していきたいと考えています。

中村薫さん

「ハンディキャップがあるから、それを乗り越えるのはやっぱり大変なんですよ。僕がジュリエットから得たようなことを同じように感じてくれるんじゃないかなと思って、そういうのを手助けしたいというのが、僕の今の気持ちです」

取材後記

取材中、ジュリエットとかかわった患者さんの表情がぱっと明るくなる姿が印象的で、私自身もジュリエットに癒やしや元気をもらいました。

 

病気に苦しむ人にとって、人には打ち明けられない思いや悩みを受け止めて、寄り添ってくれる大切な存在で、気持ちの面でも大きな支えになっていると感じました。

 

介助犬やファシリティドッグの存在は、まだあまり知られていません。

ジュリエットのような存在が多くの人に知られ、必要な人に届いてほしいと思いました。

 

(7月17日「ほっと関西」で放送)

 

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240730/k10014523781000.html

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