フランスパンから日本独自のコッペパンへ
日本では第2次世界大戦後、全国的にパンを食べる習慣が広まった。まず、パンを主食にした給食が全国に普及した。家庭では、生活の洋風化が進んだ都市部で、朝食にパンを取り入れる人が増えた。農村では、休憩時間に菓子パンを買って食べる習慣が広まった。どの場面でも、好まれたのは皮が柔らかいパンである。
ところが1990年代後半から、本場フランスに負けずとも劣らない、香ばしさとカリッと固い皮が特徴の本格派バゲットを出すパン屋が都市部に次々と誕生した。96年に神戸・三宮で「ブーランジェリー・コム・シノワ」が、98年に京都・今出川に「ル・プチメック」がオープン。2001年には東京で「PAUL」「メゾンカイザー」と二つのフランスの人気チェーン店が出店し注目を集めた。この頃から、フランスで修業した職人が本格派のバゲットを出す、フランス風の店が次々と首都圏に登場する。
「給食パン」のイメージだったコッペパンが、多彩な具材を選べるサンドイッチとして人気
本格派フランスパンが人気を呼んだ後、パンブームが本格化していく中で、日本で独自に発達したパンが人気を集めるようになっていく。その一つがコッペパンだ。コッペパンは、フランスの小さいパン、クーペがもとになったといわれているが、皮が柔らかく細長い日本独自の形に変化している。よく学校給食で出されるので、日本人にはなじみ深い。
16年頃からコッペパン専門店が次々とオープン。どの店もサンドイッチとして売り、具材を選べるシステムになっている。あんことマーガリン、コロッケ、焼きそばなど日本人だからこそ考え付く具材が特に人気だ。
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