海外からの観光客も多い日本の「猫島」とは?
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今も昔も人びとから圧倒的な人気を集める猫。そんな猫が集まる島は「猫島」と呼ばれ、猫好きにはたまらないスポットとなっています。日本の各地にも点在する猫島が、いま海外からの観光客からも人気を集めているのをご存知ですか?
きっかけはCNNのニュース記事
日本の猫島が注目されるきっかけとなったのは、2013年にアメリカCNNが世界の5大猫スポットを紹介した記事。イタリア・ローマのアルジェンティーナ神殿跡、台湾の猴トン(ほうとん)、トルコのカルカン、アメリカ・フロリダのキーウェストにあるヘミングウェイ博物館と並び、宮城県石巻市にある田代島という小さな島がそのひとつに選ばれたのです。
田代島は130匹以上もの猫が暮らし、その数島民より多いともいわれる小さな島です。島内に猫神様をまつる猫神社があるほど、猫を大切にする風習があり、犬を飼うことは禁止されています。まさに猫の楽園といえるこの島がCNNのニュースで紹介されたことによって、日本の猫島に国内外の観光客の人気を集めるようになったのです。
人気の一方で深刻な問題も
猫が不自由なく過ごせる楽園のような場所と想像される猫島ですが、決してそんなことはありません。事実、猫島と呼ばれる島はさまざまな問題に頭を悩ませているのです。
ひとつは猫が生きる環境としての問題です。近親交配によって体に不自由がある猫が生まれること、猫の数が増えたせいでエサにありつけずに餓死してしまうこと、共食いしてしまうことは珍しいことではありません。また、島の人口減少、高齢化が進む中、いつまで猫の管理ができるか不安の声も上がっています。
世界有数の猫スポットであるイタリア・ローマのアルジェンティーナ神殿跡には猫シェルターがあり、ここにいる猫たちは去勢・不妊手術を受けてワクチンも接種することができるのです。日本でまったく同じことができるわけではありませんが、猫島として有名な愛媛県の青島や香川県の男木島でも、島にいる猫への不妊・去勢手術を実施したことが話題になりました。猫が生きていく環境を整備するのも、猫島が抱える大きな問題になっているのです。
もうひとつは、観光客のマナーの問題です。観光客が増えたことによるゴミのポイ捨ての増加、島民の敷地への無断侵入、勝手なエサやりなどの観光客の無責任な行動が、島民の生活を脅かす問題になっているのです。猫島は島民と猫が共存して暮らしている場所。最低限のマナーを守ることが求められています。
外国人観光客への対応にも追われる
また、海外から「夢のような場所だ」「いつか行ってみたい」と反応があるように、猫島には多くの海外からの観光客も訪れています。日本が注目を浴びるのは喜ばしいことですが、上記のような問題を海外の人にどうやって伝えていくのかも、猫島が抱える問題のひとつといえるでしょう。
猫島は猫カフェや動物園ではありません。観光客はそのことをしっかり忘れずに、島民と猫が共存する場所にお邪魔するという気持ちで猫島を訪れる必要があるのかもしれません。
リンク:https://10mtv.jp/pc/column/article.php?column_article_id=2332