100円ショップ「ダイソー」で販売されているいわゆる「トリックアート」の本で、大学の研究者が考案した作品が無断で掲載されていたことがわかり、出版したダイソーの運営会社の子会社は著作権の侵害を認めたうえで本の販売を中止することを決めました。
この本は目の錯覚「錯視」を利用した絵を集めた「トリックアートギャラリー」と「トリックアートミュージアム」の2冊で、100円ショップ「ダイソー」を運営する会社の子会社「大創出版」が出版し、全国のダイソーの店舗で販売されています。
錯視について研究している立命館大学の北岡明佳教授によりますと、自分が考案した作品5点が2冊の本に無断で掲載されていることがわかり、中には本の表紙として使われているものもあるということです。
このため北岡教授は先月下旬、著作権の侵害にあたるとして大創出版に本の販売中止などを求める抗議文を送ったということです。
錯視を利用した作品は「トリックアート」の名前で人気を集め、各地で作品を紹介する展覧会やイベントが開催されています。北岡教授は「掲載された作品は自分が発見した錯視をもとにデザインしたもので、無断使用は許しがたい」と話しています。
NHKの取材に対し大創出版は著作権の侵害を認めたうえで「掲載した作品に著作権がないと誤解していた。きょう販売の中止を決めた」と話しています。
「錯視」を利用した絵とは
目の錯覚「錯視」を利用した絵は「トリックアート」や「だまし絵」と呼ばれ、デザインの工夫や色の組み合わせなどによって、止まっているものが動いているように見えたり色が変化したりするように見えたりするのが特徴です。
芸術作品としても人気があり、作品を紹介する展覧会やイベントが各地で開かれています。
「錯視」について研究している立命館大学総合心理学部の北岡明佳教授は、みずからが考案した作品を広く知ってもらおうと、ウェブサイトなどで数多く発表してきました。この際、自分の作品を無断で使用することを禁止し、引用する場合には、作者の名前を表示することなどを求めていました。
【単語】
1.考案:工夫して考え出すこと。
2.掲載:新聞・雑誌などに、文章・写真などを載せること。
3.侵害:他人の権利や所有などをおかして損害を与えること。
4.錯覚:思い違い。勘違い。 
5.考案:工夫して考え出すこと。
【質問】記事を読んで次の質問に答えてください。
1.ダイソーが「トリックアート」の本を故販売中止に決めたのは何故ですか?
2.トリックアートとは何ですか?